デザインプロジェクトを進めるなか、作成したカラーパレットで色同士のバランスが取れず、統一感が出なかったり、しっくりこなくて悩んだりしたことはありませんか?
そんなときに役立つのが「The Good Colors」といオンラインツールです。昨年の話題で目にする機会もあったので、すでに懐かしく思う方もいらっしゃるかもしれません。
OKLCH色空間を活用することで、視覚的に均一で統一感のあるカラーパレットを作成できるこのツール。シンプルなインターフェースが特徴で、直感的に操作ができ、試行錯誤しながら理想の配色を見つけることができます。カラーパレットを作成する過程で、色の関係性を視覚的に理解し、より完成度の高いデザインを実現するスキルも身に付くかもしれません。
このツールを使用することで、デザインの統一感を確保しながら、鮮やかで見やすい配色をスムーズに選択できます。プロジェクトの色設計を効率的に行うことができ、時間の節約にもつながりそうですね。
そもそも OKLCH ってなに?
OKLCHは、色を「明度(Lightness)」「彩度(Chroma)」「色相(Hue)」の3要素で表現するカラーモデルです。従来のRGBやHSLのような色空間と異なり、OKLCHは人間の視覚に基づいて設計されているため、色を直感的に扱いやすく、デザインの一貫性を保ちやすいのが特徴です。また、明るさ・鮮やかさを正確に評価したい場合には、こちらのOKLCH色空間の使用がオススメされています。
例えば、明るさ(Lightness)を一定に保ちつつ色相を変えることで、異なる色でも統一感のある配色を作ることができます。これにより、デザイン全体にまとまりを持たせることが可能になります。特徴をまとめると、次のような感じ。
- 視覚的な一貫性:色の明るさや彩度を変更しても、色相が意図しない変化を起こさない。
- 直感的な操作:デザイナーが簡単に美しい配色を作成可能。
- 多用途性:ウェブデザイン、印刷物、ブランドアイデンティティなど、さまざまな用途で活用可能。
こうやって特徴を並べても、いまいちピンとこないかもしれない。なので、従来の色空間である「RGB」「HSL」「CMYK」と比較してみましょう。
vs.「RGB」
RGB(赤・緑・青)は、デバイスの特性に依存するため、ディスプレイごとに色の見え方が異なることがあります。一方、OKLCHは人間の視覚に基づく設計のため、より一貫した色表現が可能です。
vs.「HSL」
HSL(色相・彩度・明度)は、初心者にも直感的に操作しやすい一方で、明度や彩度を調整した際に色相が不均一になることがあります。しかし、OKLCHは色の変化が視覚的に自然で、デザインの一貫性が保ちやすくなっています。
vs.「CMYK」
CMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)は、印刷用の色空間で、スクリーン上の色とは異なる特性を持ちます。OKLCHはディスプレイ向けに設計されているため、画面上での色再現性が高く、適切な色選びが可能です。
The Good Colorsは、どうやって使うの?
明度(Lightness)と彩度(Chroma)のスライダーを動かして、好みの明るさと鮮やかさを設定します。次に、色相(Hue)のスライダーを調整して、自分のイメージに合った色を選びます。
生成されたカラーパレットは、HEXやRGBなどのコード形式で取得できるようになっていますので、Webサイトやアプリケーションのデザインに活用しやすいです。
The Good Colorsは、どんな場面で役立つ?
The Good Colorsは、特にデザインや視覚効果に関するクリエイティブな場面で活躍します。さまざまなデザインプロジェクトにおいて視認性と一貫性のある配色を実現するために役立ちそうです。いくつかユースケースを挙げてみましょう。
ウェブサイトのUIデザイン
ウェブサイトのボタンやメニューの色を統一することで、訪れたユーザーにわかりやすく、スムーズに操作できるサイトを作ることができます。例えば、コールトゥアクション(CTA)ボタンの色を最適化することで、ユーザーが求める情報にたどり着きやすくなります。
ブランドデザイン
ブランドのイメージに合わせた色を使うことで、企業や商品の印象を強化できます。ロゴ、パンフレット、名刺、広告バナーなどに統一感のある配色を使用することで、ユーザーに一貫したブランドメッセージを伝えることができます。
アクセシビリティ対策
視覚に制限のある方でも読みやすい配色を選ぶのにも役立ちます。たとえば、色覚障害の方でも区別しやすいコントラストの高い配色を設定し、より多くの人が快適に利用できるデザインを作成する手助けになります。
プレゼン資料作成
資料作成において、見やすくわかりやすい色の組み合わせを作成することができます。グラフや表の配色を工夫することで、聴衆にとって理解しやすく、印象に残るものになります。
SNSコンテンツ制作
SNSの投稿や広告バナーに統一感のあるビジュアルを作成することで、フォロワーの関心を引きつけることができます。特に、InstagramやFacebookの投稿で視覚的に魅力的なデザインを取り入れることで、ブランドの認知度を高めることにもつながります。
商品パッケージデザイン
商品のパッケージに適切なカラーパレットを使用することで、消費者に強い印象を与え、購買意欲を高めることができます。高級感を演出したり、目立つ色を用いることで店頭での視認性を向上させるなど、配色による戦略はあなどれません。
理想の配色を見つけるための効率的なアプローチ
The Good Colorsは、デザインにおける色選びの悩みを解決し、統一感のあるカラーパレットを簡単に作成できる便利なツールです。OKLCH色空間を活用することで、視覚的にバランスの取れた配色を直感的に選べるため、初心者からプロのデザイナーまで幅広く活用できます。
もし、これまでに「配色の統一感が取れない」「しっくりこない色の組み合わせになってしまう」といった悩みを感じているなら、ぜひThe Good Colorsを試してみてください。きっと、より理想に近いカラーパレットを見つける手助けになるはずです。