今、お米の価格が全国的に上昇しています。農林水産省の統計によると、2025年5月時点でスーパー店頭の5kg袋の価格は約4,300円前後(令和7年5月12日の週では、5kgあたり4,285円)と、前年よりも1,000円以上高くなっています。(出典:農林水産省「米に関するマンスリーレポート(令和7年5月号)」)
この背景には、2023年の猛暑や大雨による不作、インバウンド(訪日外国人)需要の増加、農家の高齢化や生産コストの上昇など、さまざまな要因が複合的に絡んでいます。
そして、今後も天候や需給バランス次第で、価格の高止まりが続くと予想されています。
実はお得でおいしい?「ブレンド米」を見直してみよう
「ブレンド米」とは、複数の産地や品種のお米を混ぜて作られたお米のことです。
以前は「安かろう悪かろう」というイメージもありましたが、近年は品質管理やブレンド技術が向上し、味や食感のバランスが良い商品も増えています。
特に大手米卸会社やスーパーのPB(プライベートブランド)商品は、価格を抑えつつも、粒立ちや甘みのあるブレンドに工夫が見られます。ブレンド米を選ぶことで家計の負担を減らずというのもひとつの手かもしれません。
政府による備蓄米の放出と“古米”の活用
この日本米の価格高騰を受け、政府は令和7年5月30日から備蓄米を市場に売り渡すという異例の対応を開始しました。政府の備蓄米は、主に「古米」が中心となっており、品質管理のもとで保存されています。放出された備蓄米は、一般消費者の手にも届くようになり、価格安定化の一助となることが期待されています。
“古米”・“古古米”・“古古古米”を上手に使うコツ
「古米」とは、前年に収穫されたお米のことです。「古古米」、「古古古米」はそれよりも前の年に収穫されたお米を指します。
古米は新米に比べて風味や粘りが落ちることがありますが、保存状態が良ければ十分においしく食べられます。古米をふっくらと炊くためには、水加減をやや多めにすることと、炊く前に30分以上しっかり浸水させることがポイントです。
また、チャーハンやピラフ、混ぜご飯など、味付けや具材を工夫することで、古米特有の匂いやパサつきも気にならなくなります。
無洗米は意外とコスパがいい?
無洗米は、精米時に表面のぬかを取り除いているため、研ぐ手間が省けるお米です。
一見すると割高に感じるかもしれませんが、水道代や時間の節約、手間の軽減、衛生面の安心感など、トータルで見るとコストパフォーマンスが高いという評価もあります。
安いお米でも“炊き方”で激変する!
お米の価格とおいしさは必ずしも比例しません。
安価なお米でも、しっかり浸水させる・炊飯時に氷を入れる・少量の酒やみりんを加えるなど、ちょっとした工夫でふっくらおいしく炊き上がります。
また、炊飯器の「極うま」モードなどの機能があれば活用したり、炊きあがったらすぐにほぐして蒸らしたりすることで、食感や香りが大きく変わります。
お米の買い方を変える:通販・ふるさと納税・シェア購入
お米の購入方法も多様化しています。
・通販サイトでは、全国の産地直送米や訳あり品を安く手に入れることが可能です。
・ふるさと納税を活用すれば、実質負担2,000円で10kg以上のお米が返礼品として届く自治体もあります(出典:総務省ふるさと納税ポータル)。
・シェア購入サービスでは、複数人でまとめ買いすることで割安に購入できるケースも増えています。
ただし、買いだめの際は保存方法に注意し、直射日光や高温多湿を避けて保管することが大切です。
まとめ
お米の価格高騰は家計にとって大きな悩みですが、視点を変えれば「お得でおいしいごはんライフ」を楽しむチャンスでもあります。
ブレンド米や無洗米、古米の活用、炊き方の工夫、そして新しい買い方など、さまざまな方法を試してみてはいかがでしょうか。