スウェーデン国立美術館 素描コレクション展に行ってきました

先日、上野の国立西洋美術館で開催中の「スウェーデン国立美術館 素描コレクション展―ルネサンスからバロックまで」に行ってきました。
この展示ではレンブラントやルーベンス、デューラーなど、名だたる巨匠による素描が多数展示され、この数のコレクションがまとまって来日するのは初とのことです。
展示作品はクロッキーのようなラフなものから、ドローイング、はたまた大作の下絵まで幅広く、光と影をドラマチックにとらえた表現や、銅版画のような均等な線で描かれたもの、細部まで書き込まれたものなど、それぞれに作家の個性が反映されていて面白い展示内容でした。

キービジュアルになっている、ルネ・ショヴォーの「テッシン邸大広間の天井のためのデザイン」などは水彩や金泥で細部まで描きこまれており、とても下絵とは思えませんでした。印刷物で見るよりもやはり生で展示物を見た方が筆の使い方などがわかり面白かったです。
こういった大作を制作する過程に作られるものは普段なかなか表に出てくる機会がないものなので、そういった意味でも今回の展示は貴重だと思いました。
自分も学生時代にデッサンなどを描いていたことがありますが、素描といえば「画力向上のための鍛錬」、「完成作品の下絵」や「構想の記録」といった作品未満というイメージが強く、実際あまり作品として残されないことも多いですよね。

「素描」に重点をおいた展示は普段あまり機会が無いと思うので、美術に詳しい方はもちろん、あまり馴染みのない方にも新鮮で面白いのではないでしょうか。

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