結果発表!ショパンコンクール

10月21日の未明に、ポーランド・ワルシャワの会場で発表されました。第19回ショパン国際ピアノコンクール、優勝はアメリカ人のエリック・ルーさんです!

この方は27歳で、2大会前の同コンクールにも出ていました。ということは17歳だったわけですが、なんとその若さで4位に入賞していました。驚愕です。そんな経緯もあり、当初から注目され、優勝候補として名前が上がっていました。

第2位も優勝候補と目されていたケヴィン・チェンさん、カナダ人です。
そして、日本の桑原志織さんが、4位に入賞されました!おめでとうございます!

-入賞-
第1位:エリック・ルー Eric Lu (アメリカ)
第2位:ケヴィン・チェン Kevin Chen (カナダ)
第3位:ワン・ズートン Zitong Wang (中国) [ソナタ賞]
第4位:桑原志織 Shiori Kuwahara (日本)
第4位:リュウ・ティエンヤオ Tianyao Lyu (中国) [コンチェルト賞]
第5位:ヴィンセント・オン Vincent Ong (マレーシア)
第5位:ピォトル・アレクセヴィチ Piotr Alexewicz (ポーランド)
第6位:ウィリアム・ヤン William Yang (アメリカ)
-入選-
David KHRIKULI (ジョージア/24歳)
Tianyou LI (中国/21歳)
進藤実優 (日本/23歳)

中国勢が大会を席巻

入賞者・入選者の名前を見て分かるとおり、中国人や中華系のお名前の多いこと!中でも桑原さんと同じ4位に入賞したリュウ・ティエンヤオさんは16歳。堂々たる演奏ながらもカワイイという言葉が似合う女の子。若さとかわいさで加点したくなる注目のコンテスタントでした。次回なのかその次なのか、優勝目指して再挑戦する姿を見てみたいものです。

個人的に注目した進藤実優さん

どの方の演奏も素晴らしく、素人の私には甲乙つけられるものではないのですが、ファイナルステージに駒を進めた進藤実優さんのことを話してみます。進藤さんは、ちょっとクセのある動きで演奏する人です。その印象を、第3ラウンドまでは少しネガティブに受け止めていました。

しかし彼女はファイナルステージに進出します。ここでは全員コンチェルト(ピアノ協奏曲)を弾くのですが、コンチェルトは正直長くて、しかもオーケストラの演奏が始まってからピアノが始まるまで4分以上待たされるということもあり、聴く側として苦手意識がありました。

ところが、進藤さんのピアノ協奏曲第1番を聴いていると不思議とのめりこめる感覚がありました。クセが心地よくてぐいぐい引っ張られる感じです。気づけばこの曲が大好きになっていました。

なんというか、ジャズ奏者のような動きをされるんです。おそらく、大きな会場で遠くからでも進藤さんと分かるんじゃないかと思います。ぜひそんな場所で彼女の演奏を聴いてみたいと思いました。

大会公式ピアノの使用結果は?

大会が始まる前の記事で、日本のヤマハやカワイが公式ピアノとして採用されているという話をしました。では実際にどれくらい出場者に選ばれたのでしょうか。

使用ピアノ推移

ヤマハはファイナルに残れなかったみたいです。カワイのおそらく最上位異機種「Shigeru Kawai」はステージの上で輝いていました。日本人としてはピアノといえばヤマハ、音楽室にあるのはYAMAHAですよね。次回大会ではもっと使ってもらえることを願ってやみません。

おすすめのショパン

最後におすすめの曲を紹介いたします。もともとショパンのピアノ曲は好きで聴いていましたが、今大会を通して私のプレイリスト入りをした曲がいくつかあるのでご紹介します。

1.前奏曲 作品28の第15番「雨だれ」
課題曲のなかの1つでした。有名な曲なので耳にしたことがあるかもしれません。穏やかな雨の日にゆったりと聴きたい、切なく美しい”しらべ”の曲です。

2.ワルツ第2番 Op.34-1 「華麗なる円舞曲」
こちらも課題曲です。他の曲は皆さん苦しそうな顔で弾くのですが、この曲ばかりはとにかく楽しそうに弾いてくれるし、実際に楽しい曲です。ちなみに「華麗なる大円舞曲」もあり、そっちのほうがメジャーだったりします。

3.ピアノ・ソナタ第2番「葬送」 変ロ短調 Op.35
第3楽章の葬送行進曲を日本ではよく耳にしますし、あの絶望的なメロディーを口ずさめる人は多いのではないでしょうか。そのメロディーには当然続きがあって、続きが実はかっこいいのです。機会があったら聴いてみてください。

4.ピアノ・ソナタ第3番 第4楽章
この曲は前から好きでしたが、緊張感あるコンテストの演奏で聞くとますます惚れてしまいます。4つの楽章のうち最後の第4楽章が、スピード感や意外性があってとにかくめちゃくちゃかっこいい!ショパンのサプライズが詰まった、おすすめの1曲です。

どれもYouTubeなどで聞くことができます。今年は5年に1回のショパコンイヤー。クラシックな気分の日があったらぜひ試聴してみてください♪

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