つつがなくあれ

今朝の読売新聞に以下のような記事が載っていました。
ちょっと気になったので紹介します。

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<僕の恋人東京へいっちっち・・・>
守屋浩さんの「僕は泣いちっち」は1956年(昭和34年)の歌である。
それまでは、三橋美智也さんの「哀愁列車」<惚れていながらいく俺の 旅をせかせるベルの音>の
ように、恋人を残して故郷を去る青年の感傷は歌われてきたが、青年の嘆きはめずらしい。
高度成長の光が都会を照らしはじめ「去る悲哀」と「残る悲哀」が入れ替わった時期かもしれない。
トキの世界にも別離があり、再会がある。
新潟県佐渡市で放鳥され、生存の確認されている8羽のうち、オス4羽を残してメス4羽が本州に
去ったと聞き<なんで、なんで、なんで・・>と内心つぶやいた。
望郷の念、断ちがたく-かどうか。メス1羽が島に戻ったという。繁殖に望みが生まれたが、
トキにはトキの事情もあろうから恋の行方へさだめがたい。
故郷に残る青年の親御さんも、故郷を去る乙女の親御さんも、これという手助けもできぬまま
「ただ、つつがなくあれ」と祈ってはハラハラ、オロオロ、子供たちを見守っていたことだろう。
その親心が少し分かる。

読売新聞 2009年4月3日
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先日、北海道の旭山動物園の名物園長さんが定年退職をした。
今後も園に関わりながら顧問として残るそうである。

若い頃獣医として園に赴任した頃、自分が担当した動物の出産に立会い
無事子供がうまれ、すくすくと育つ姿を見ていると「ただただ、つつがなくあれ」と
祈る思いであった。という談話を残されています。

日々進化を遂げている旭山動物園、新園長さんにも是非がんばっていただきたいものです。

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