takaです。テレビでは、しつこいぐらいに「コメの価格が高騰している」「家計が厳しい」などの情報を流しています。
国会では野党を中心に「消費税を下げるべき」「消費税を廃止すべき」などの政策が提示されています。
一方で、政権を預かる政府からは、
石破首相は、議会で「日本の財政はギリシアよりよくない」という答弁もしています。
アメリカでは、トランプの相互関税の想定外の反作用として、ドル安、アメリカ国債の下落などアメリカ離れが進んでいます。
アメリカ国債の格付け会社ムーディーズは、米国の国債格付けを最上位の「Aaa」から「Aa1」に引き下げ、格付け見通しを従来の「ネガティブ」から「安定的」に変更しました。今後さらなる格下げもあり得る状況です。
国家財政が厳しい状況の中で、そして、国民の生活もインフレにより追い詰められている状況下で、あまり報道されていませんが、日米共に長期金利が急速に危険水域に上昇し始めています。
アメリカ、日本の長期金利の上昇は、どんな未来をもたらすのでしょう?
考察してみたいと思います。
過去を振り返れば、
日本は2013年からのアベノミクスの量的緩和を契機にして、円国債という未来からの借金で、円を約600兆も増発しました。
目的は、デフレ経済から脱却し物価を安定的な2%に上げる、設備投資の増加で、GDPを3%程度に成長させることでしたが、しかし、600兆円の異次元緩和からの物価の上昇とGDPの投資成長は起こらなかった。金利をゼロに下げても企業の借入金による設備投資の増加は起こらなかった。
日銀が増やした600兆円の超低金利のマネーの大半は、金利の高い米国債・アメリカ株の買いになって、アメリカに流出していきました。
長く続いてきたドル基軸通貨体制では、経常収支と貿易の赤字で海外に出たドルが、金利の高い米国債・ドル株の買いとして、再びアメリカに還流してくるシステムでしたが、このシステムが崩壊の方向に向かっています。
アメリカ・日本の長期国債の金利が急上昇し始めた。
アメリカでは
37兆ドルに膨らんでいる米国債の、償還満期分が2025年度は、8兆ドル(1160兆円)もあります。2026年度にも6兆ドル(870兆円)の返済が来ます。
今アメリカの財政危機が表面化しようとしています。
今、アメリカの債務の膨張とトランプ関税により、アメリカの信認の低下やアメリカ離れにより、ドル基軸体制が揺らいでいます。
ドルの長期金利が2025年5月1日の4.1%から4.5%へと、たった2週で、10%も上げています。長期金利の上昇は、海外からのドル売りの超過を示します。ドル国債が売られて価格が下がっています。
日本では
日本は、国家の累積の借金が1300兆円もあります。既に破綻していてもおかしくないほど巨額の借金を抱えていますが、対外純資産が471兆円ある事で信用崩壊を免れています。
アメリカ離れで、ドル安になれば、日本の対外純資産が471兆円の価値が下がります。
対外純資産の目減りを想定してか?トランプ観世によるマイナスの影響を想定してか?日本の長期金利も急速に上昇しています。
さらに、現在は1.5%あたりである円の長期国債(10年債)の金利が3%に上がると資金繰り難になっていきます。
円国債の金利が高騰し、満期が来た国債の償還と当年度財政赤字の国債(約170兆円)の買い手がいなくなるか?買い手が額面を大きく下がった価格でしか買わなくなる。
日本も財政の破産の確立も急速に上がっています。
ハイパーインフレとスタグフレーションの世界へ
日本もアメリカも借金をし続けないと破綻します。
金利が上がれば借金の利払いもさらに増え、国債の信用が落ち通貨も価値を失います。
支払い不能な借金への対策は、①デフォルト ②お金を刷り続ける しかありません。
全てはインフレにつながります。
そして、国民は、想定していない高いインフレに見舞われます。
日本で起きているコメの高騰は、その象徴に過ぎません。全ての商品の価格が今後急騰する可能性が高い状況です。
既に、世界の多くの国が世帯の所得が上がらないなかで、物価だけが上がるスタグフレーションに突入していると思われます。
みなさんは、どう考えますか?