トランプ政権の政策はうまく機能していないのに、何故?株価だけは上がり続けるのか

Takaです。今回は、トランプ政権の施策の影響について考察する予定でしたが、トランプが関税導入の3か月間の延長を宣言しましたので、今回は、現状の整理をしておきたいと思います。

トランプ政権の半年間を検証しみると

トランプ政権は、選挙前の公約を尋常でないスピードで、独断的で暴力的な実行方法で行ってきました。

トランプ政権の大きな方針を確認すると、
1,アメリカへの移民の制限、2、行き過ぎた人道主義や環境対策の巻き戻し、3、経済の立て直しによる偉大なアメリカへの回帰などが主要な政策方針と思えます。

1つずつ確認しましょう。

1,アメリカへの移民の制限については?

アメリカへの不法移民は、2022年には約1100万人と推定され、経済、安全保障、社会保障、犯罪問題など多岐にわたる課題を抱えていました。これに対し、トランプ政権は、不法移民と位置づける人たちへの対応は大幅に厳格化し、国境沿いの壁の建設を再開し国境警備も強化しました。さらに不法入国者を見つけ出し、国外追放するという強制的な排除手段も実行に移されました。

この政策の反動で、カリフォルニア州では、不法移民の摘発を巡って住民と移民当局の間で衝突が起きて大きなデモや反乱に発展しています。これにトランプ政権は、州兵の派遣し鎮圧に動いています。


2、行き過ぎた人道主義や環境対策の巻き戻し、については?

民主党が実行してきた行き過ぎた人道主義や環境対策の見直しもトランプ政権の政策の重要課題でした。
確かに行き過ぎた人道主義により、社会保障制度の負担増大や、文化的な摩擦、ジェンダーフリーの行き過ぎた解釈による公平性の問題が発生し、また、ヨーロッパが進めた温暖化対策とされる二酸化炭素抑制のための電気自動車への過度の方向転換も問題となっていました。

トランプ大統領は、出生時に決められた「生物学的な男女」のみを性別として認めるとの大統領令に署名し「ジェンダーイデオロギー」に対する資金提供を終わらせる措置も求めました。
また、アメリカファーストの名目で、世界に対する援助活動を停止し資金援助を停止しました。

アメリカの援助凍結がもたらす世界の人道危機
トランプ大統領が突如、数十億ドルの対外援助を停止したことにより、飢餓の防止や病気の治療、避難民への避難所提供が困難になっており、世界で最も弱い立場にある人々の中には、すでにその現実に直面している状況です。


3、経済の立て直しによる偉大なアメリカへの回帰については?

前回の記事で述べたように、トランプ政権は、36兆ドルを超える連邦政府債務を減らすために、①政府支出を減らすための対策と②関税の引き上げによる貿易赤字の解消に挑みました。

①の対策として、トランプ大統領は、イーロン・マスク氏が率いる「政府効率化局(DOGE)」を設立し、当初は、連邦予算をほぼ3分の1削減すると宣言していましたが、実際の削減額は、数百億ドル程度と言われています。

その後、イーロン・マスクは、トランプ政権を去り、トランプ大統領と対立状態になりました。

イーロン・マスクは、トランプ大統領の進める「減税法案はアメリカの数百万の雇用を破壊し、国に甚大な損害を与える。完全に正気ではなく、破滅的だ」と強く批判しています。

②の関税政策は、一部は実行中ですが、世界を相手にした相互関税は、3か月の延長を宣言したため、7月8日以降にまた新たな対応を発表するものと思われますので、次回の考察で検証したいと思います。

こうして、トランプ政権の半年を振り返ると、当初の政策をものすごい速さで暴力的に実行しましたが、どれも目標にした結果につながっていない状況かと思います。

トランプ政権の政策はうまく機能していなく、政策により世界に混乱が広がり、世界でアメリカ離れが加速しアメリカの信認が低下するなかで、
何故か?株価だけは上がり続けています。好調はしばらく続くのでしょうか?
みなさんは、どう考えますか?sayonara.gif

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