ChatGPTも疲れるの?おかしい挙動の理由と対処法

「さっきまで普通に答えていたのに、いきなり話が噛み合わない」「同じ質問で出力が安定しない」――こうした“おかしい挙動”は、ChatGPTが人間のように疲れているわけではありません。多くは、会話の積み重ねや指示の書き方、技術的な制約・混雑などが原因です。本記事では、よくある症状と理由、すぐ試せる対処法、再発防止の書き方までまとめます。

よくある「おかしい挙動」

  • 会話の前後関係を取り違える(直前の指示を忘れたように見える)
  • 同じ質問なのに毎回ニュアンスが違う回答が出る
  • 見当違いの用語解説や、質問とズレた詳細説明が始まる
  • 途中で話題が勝手に切り替わる/同じことを繰り返す
  • コードや数式の一部が抜ける・整合しない
  • 規約違反でないのに安全配慮で答えを渋る(過敏な拒否)

なぜ起きる?主な理由

コンテキストの飽和

長い会話では、やり取り全体が「コンテキスト」として渡されます。これが大きくなると、重要情報が相対的に埋もれ、参照漏れや矛盾が起きやすくなります。

指示の曖昧さ

一つのメッセージに複数のゴールや禁止事項が混在すると、モデル内で優先度の解釈が揺れ、出力が不安定になります。

確率的生成の揺らぎ

生成AIは確率的に同じ質問でも表現が変わることがあります。

安全フィルタとの相互作用

境界線上のトピックでは、安全配慮の判断が厳しめに働くことがあり、過剰に抑制された応答が出る場合があります。

外的要因(混雑・接続・プラグイン依存)

一時的な混雑や外部ツール/プラグインのエラーで、回答の遅延・省略・途中打ち切りのように見えることがあります。

まず試すクイック対処

  1. 新しいスレッドを作る:要点だけを再提示し、余計な履歴を切る。
  2. 要件を一文で宣言:「目的」「出力形式」「制約」を1行で冒頭に書く。
  3. 段階化:「①理解確認 → ②設計 → ③出力」の順で小分けに依頼。
  4. 例を1つだけ添える:過度な例はノイズ。最小限で基準を作る。
  5. 再生成ではなく再質問:同じ文を回すより、ズレのポイントを明示して聞き直す。
  6. 重要語を固定:用語の定義・表記ゆれ(例:全角/半角・英数)を冒頭に指定。

再発防止のプロンプト設計テンプレ

目的:○○(誰の何のためかを一文)
出力形式:Markdown/HTML/表/コード(いずれか)
制約:語調、文字数、NG事項、引用ルール 等
評価基準:満たしていなければ理由と修正案を提示
確認:出力前に5項目セルフチェックを実施

セルフチェックの例(モデルに指示)

  • 質問の目的を言い換えて要約したか
  • 指定の形式・文字数・語調を守ったか
  • 専門用語の定義・出典の明示はあるか
  • 矛盾・重複・抜けがないか
  • 次のアクション提案を含むか

症状別の具体対処

前提をコロコロ忘れる

冒頭に「前提ブロック」を置き、以後の回答で厳守させる旨を宣言します。

【前提(常に遵守)】
・対象読者:○○
・表記ルール:○○
・禁止:数字入り見出し 等

長文で破綻しがち

  • まずアウトラインのみを出力→OK後に各節を展開
  • 各節の最大語数を指定(例:各見出し600字以内)
  • 表やコードは別ターンで要求し、整合をチェック

安全配慮で過剰に拒否

  • 合法・安全な意図を明記(目的・対象・用途)
  • リスク低減の条件を具体的に書く(例:匿名化・一般論に限る)

検収チェックリスト

  • タイトルと導入で読者の疑問に即答している
  • 見出しに具体語が入っている(抽象語だけにしない)
  • 段落頭に結論、後から根拠の順で流れが一定
  • コピペで壊れないHTML/Markdown構造
  • 再現可能な手順・テンプレ・例文がある

まとめ

ChatGPTのおかしい挙動は“疲れ”ではなく、コンテキスト設計と指示の出し方で大半が改善します。困ったら「新規スレッド」「一行要件」「段階化」の三点セットから始めましょう。


おまけ:そのまま使える依頼テンプレ

あなたは編集者です。以下の条件で記事案を作成してください。
目的:検索流入の読者に、○○の基本を10分で理解させる
出力形式:HTML(<h2>と<h3>中心、<div>不要)
制約:専門用語は初出で簡潔に定義/冗長な比喩禁止/重複見出し禁止
評価基準:導入で即答→理由→手順→チェックリスト→FAQ→まとめ
セルフチェック:上記5項目を出力前に自己確認してから納品

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