食料自給率への政府の関心のなさへの危惧

tarouです。ちょうどニューズピックスでも昨日取り上げられていましたが、酪農産業はいま、大変な事態になっているようです。昨年末、ニュースを見ていたら『子牛』の競売価格が1000円で投げ売られているというニュースを見ました。僕は農学関係の学部を出ているのですが、大学を卒業してから全然別の仕事をしているのもあり、この事実を知りませんでした。

実習で子牛を産ませるのめちゃくちゃ大変でした。搾乳も大変だったなぁ。僕はゲノム研究がメインで、作業は年一くらいの実習のときだけ。それでも朝早いし疲れるし産業として割に合わないなぁと思っていました。当時子牛は1頭60万円程度だったと記憶しています。調べてみると昨年から子牛の買い控えが起きているようですね。

理由としてはコロナショックで生乳需要が低下したこと、続いてロシアとウクライナの紛争により飼料となる穀物の価格が急上昇したこと。パンデミックはまだしも、戦争によるコモディティの需給バランスへの影響ってものすごいと今回認識させられましたね。

飼料価格は前年比1.5倍。飼育すればするほど赤字になるなら、それは子牛も売れなくなります。

問題はこの事態に対して政府は微々たる補助金しか出していないことです。補助金を出せって言ってるわけではないのです。補助金にたかるだけの産業は脆弱ですから。しかし補助金も下策ながら、ただ放置してしまうのであればそれって職務放棄じゃないですか?

食料自給は国防の要であることは小学生でも習うことです。今まで一次産業に補助金だけ与えて産業のシステムを構築できていなかったことが一番の問題ですよね。日本の食料自給率は38%と言われていますが、一次産業の衰退で今後さらに下がるでしょう。

海外からの輸入の方が安いからと穀物を輸入しているのは本当に『安い』のでしょうか?核燃料と一緒で何かあったときに『高くつく』ことになります。有事の際には穀物価格も燃料価格も肥料価格も上がるのです。

いまから立て直すのは難しいでしょうねぇ。輸入した何の成分が入っているかわからない牛乳を倍以上の値段で買う日が来てしまいそうです。当然、生乳を含む製品も高くなります。

僕の考えでは、飼料米の安定的な市場を作ることが一番だと思うんですけどね、現在、米の価格は1俵あたり15000円、飼料米は1500円。この差額を補助金で埋めつつ減反政策を行っているわけで、田んぼは余っていて補助金に漬かりきった農家が増えています。たまに知人の家に田んぼの手伝いに行くんですが、飼料米は収量も多く、梱包の手間もかからず、おまけに補助金がうまいと言っています。輸入穀物と同等の売価を維持できれば、無駄な補助金も減るし自給率も上がると思いますけどね、そうできない何かがあるのでしょうね。

面白いことに生産すれば補助金がでるため、この飼料米の販路は自由なんですよね。僕はこの飼料米の販売をBtoBで行い、収益性を増やせないかなと現在考えているところです。

今後さらに戦争が起こると、世界で2億人の餓死者がでてその3割は日本に集中するという話もあります。まぁ物価は上がり生活水準は落ちてもさすがに餓死とまでは考えづらいですが、最悪日本が飢餓で苦しんでも、せめて自分の食料自給率は100%を維持できるように心がけたいものです。

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