東京オペラシティ アートギャラリーで開催中の「LOVEファッション—私を着がえるとき」展に足を運んできました。
この展示では、18世紀の豪華な宮廷服から現代の衣装コレクションまで、時代もジャンルも異なる衣装が一堂に並び、それぞれの作品から“着ることへの愛”や“内に秘めた欲望”がにじみ出る、ファッションが語る「私」というものをテーマにした内容です。
展示の手法としてはキャプションが無く、場内パンフレットを照らし合わせる必要があり、そのため「この衣装は誰の作品なのか」といった詳細がすぐに分からず、やや分かりづらい展示構成になっている点は少し惜しかったです。
ですがその分、作家名やブランドなどの先入観なく純粋に衣装の造形や色彩に目を向けられたのでこういう展示方法も有りなのかも、と思わせてくれました。
衣装の展示そのものは華やかで、堅苦しさもないので、コアなファッションファンだけでなく、普段あまり服に関心がない方にも親しみやすいかと思います。
展示点数はそこまで多くはないため、やや物足りなさもありましたが、気軽に楽しめるボリューム感です。
個人的にいちばん印象に残ったのは「ヤドカリの洋服(=殻)」の作品です。
小さい殻の中に街を造形していて思わずじっと見入ってしまいました。
カラフルで個性的な衣装が並ぶ空間は、視覚的にも楽しく、改めてファッションは自由で楽しいと実感できる展示でした。